
邪恋の爪痕と片恋の彼
第1章 笑えない話し…
「――――先輩…境井先輩…着きましたよ…ほら、鍵は?」
「あ――――…あ、うん」
具合が悪いのを紛らわしたくて瞳を閉じたら…そのままウトウトとしてしまった…
「――――ポケット…――――あ、タクシー代…」
「ったく…もう、払いましたよ…、鍵はポケットですね?はい――――あった!」
俺は真壁に支えられなから…自宅のマンションの玄関までウトウトしながら、来たらしい。
「はい――――開きましたよ…」
「あ…うん、さんきゅ…」
俺は玄関でグタッと座り込んだ。
「もう――――飲み過ぎですよ…」
「あ――――…うん、反省してる…反省してるけど……今日は無理だったぁ…」
俺は玄関で座り込み――――…俺と一緒に帰宅した引き出物の袋に…涙が溢れそうになった。
「――――境井先輩?」
「この…引き出物――――…お前にやる…から…持ってかえって?」
