
邪恋の爪痕と片恋の彼
第4章 日常訓練
「ん?なんですか?俺の顔に何かついてますか?」
「いや――――…コレ旨い…な」
俺は、頭の考えを振り払うかのように目の前のパスタの感想を述べた。
「お口にあって良かった。前に付き合っていた男が料理人でして、それもイタリアンの――――…ちょっとコツを教えてもらったんですよ」
――――前の…“男”って…
「そう言えば、マルコ…元気かな?」
――――マ…マルコって!?外人かよ!?
「///……」
わ…分からん――――真壁という人間が分からなくなってきた。
パスタを食べ終わると、俺は二人ぶんの食器を片付け洗う。
「境井さん――――俺が洗いますよ?」
「いいって、作らせた上に…片付けまでって――――…」
「フフフ、律儀ですね。そんな所も好きですよ」
「///はっ!?バカか――――…」
“好き”だの“付き合ってくれ”だの――――…コイツは口に出しすぎだ!
