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放課後は、ヒミツの待ち合わせ。(R18)

第14章 夏祭りと朝焼け

「……す、澄くん。聞きたいことがあるの」


「……何」


「あのね……あたしと、その……せっく、す、」


「なんて?」



声が小さすぎて聞き返すと、真っ赤に頬を染め上げる色葉。


「えっと! あたしと……えっちしたでしょ? それって……」


その単語今出さないで。


全力でそう思いながら俺は聞く。



「うん?」


「あれは……姫芽先輩のかわり?」


勇気を振り絞って問う声に、「はっ?」と素っ頓狂な声が出てしまった。



なんで姫芽先輩が出てくんの?



「東くんから……っていうかミナから聞いたんだけど、澄くんの不眠の原因は大好きだった姫芽先輩と別れたからって……。それが辛くて、身代わりにしたのかなって」



あまりの衝撃的な言葉に、俺の頭が一気に冷静になっていく。



「……俺が色葉を誰かのかわりに抱いたって思ってるの?」


「……え、いや……」



そう言って目を泳がす色葉は、小さく縦に頷いた。


――YES。


あまり衝撃で、一度声が詰まった。


「、……そんなわけないだろ」


ありえないだろ。


力が抜けて「……なんで」と声が零れる。


なんでそんなこと思うの。


そんなに俺って色葉のこと、大事に抱けてなかったんだ。


……色葉のことしか、見えてなかったよ。


文字通り、夢中になって求めすぎた。


だから、色葉に優しくできてなかったってこと?



「そんなん俺……最悪じゃん」



胸がぎりぎりと痛み始めて、色葉に背を向けた。



俺は本当に、どこまでも好きな子にうまくやれない。


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