
狼からの招待状
第5章 化石の街
上着を取り上げ、「今日は、グレと二人で帰って」腕相撲を始めたグループの脇をすり抜けるように、ユノはトレーニング・フロアを出る。
「チャンミン」ベッドの傍らの白い椅子にかける。「来たよ、俺だ。…具合、今日どう?」眠るチャンミン。「キム侍従にきいた」笑顔になり、「リハビリも寝たままだけど、少しずつ─始めて」
眠る顔を見つめ、「ときどきは熱も出るけど…」点滴のスタンドに目をやり、「食事も、摂れるようになってきたんだってね」ため息をついた。 「良くなって…」特別室は静まりかえっている。
「お前に会いたくて」黙り込んだ。チャンミンをまた、見つめた。
「お前が、いたら…」唇を閉じ、シーツにそっと、触れ、「話そうと思ったこと…」黙って、壁に視線を向ける。
「たくさん話したい」身動ぎもせずに、ただチャンミンを見た。
「…顔を見ると、何も云えないね」ちいさな笑みを浮かべ、「俺のまわりで、いろんなことがあった」(─純愛ですね)(そういう、恋愛がしたい…)ウンギョンの声が甦る。
閉じられた長い睫毛が、影を落とすチャンミンの頬に指先を伸ばす─(チャンミン)
「チャンミン」ベッドの傍らの白い椅子にかける。「来たよ、俺だ。…具合、今日どう?」眠るチャンミン。「キム侍従にきいた」笑顔になり、「リハビリも寝たままだけど、少しずつ─始めて」
眠る顔を見つめ、「ときどきは熱も出るけど…」点滴のスタンドに目をやり、「食事も、摂れるようになってきたんだってね」ため息をついた。 「良くなって…」特別室は静まりかえっている。
「お前に会いたくて」黙り込んだ。チャンミンをまた、見つめた。
「お前が、いたら…」唇を閉じ、シーツにそっと、触れ、「話そうと思ったこと…」黙って、壁に視線を向ける。
「たくさん話したい」身動ぎもせずに、ただチャンミンを見た。
「…顔を見ると、何も云えないね」ちいさな笑みを浮かべ、「俺のまわりで、いろんなことがあった」(─純愛ですね)(そういう、恋愛がしたい…)ウンギョンの声が甦る。
閉じられた長い睫毛が、影を落とすチャンミンの頬に指先を伸ばす─(チャンミン)
