
歪んだ僕らの
第3章 暴力的な愛
アオのギラついた目は俺を通り越して若葉を見ている。
相変わらず気持ち悪ィ奴。
「わざわざ早くから来たとこ悪ィけど、若葉ならお前とはもう会わないぜ?」
「…は?」
「わかんねーの?お前に怖がってンだよ。だから俺が守ってやることになった」
優越感に浸りながら、そう言えば一瞬アオがひくついたが、途端に不気味に笑いだした。
「あー…そういうこと。僕を悪者にしてわかばちゃんの隙に漬け込んだのか」
若葉のこととなると頭の回転が早いアオ。
いや、元々頭の回転は早いが、若葉のために隠していたのか…
どっちにしろどうでもいい。
「…じゃあ、今はお前の思い通りに動いてあげる」
「は?」
「僕が愛してるのはわかばちゃんだし、わかばちゃんが愛してるのも僕だってこと、忘れないでね」
そう言って去って行くアオ。
猫被ってる前から気に触る奴だったが、更に俺を苛立たせてくれる。
