
ぼっち─選択はあなたに─
第27章 西の森【選択9】
「まっ……待ってください! ミーナさんがマナミさんだとしても……私と同じ神の子ですよね? どうして私を陥れるようなことをするんですか?」
「それはわかりません。バーム教団に弱みを握られているか、あるいは──」
ヤクモが口を閉ざして考え込む。
「……ヤクモさん?」
「何を企んでいるかは本人に聞くしかないでしょう。きっと私たちがここに来たのも、彼女の想定内でしょうから」
ミーナ──いや、神の子マナミの目的はエメラルドの石なのか?
それとも、神の子としてこの世界をどうするか話し合うため? いや、後者ならこんな回りくどいやり方はしないだろう。
「……っ……」
ヒカルは歯を食い縛った。
自分は神の子として何もできない──。
何もできない上に、周りを不幸にしてばかりだ。だから魔女と言われても仕方ないのかもしれない……。
「──様、ヒカル様」
「あっ……ごめんなさい、また考え事──」
「手を、お出しください」
「え?」
ヤクモはヒカルの前に跪くと、懐から小さな布の袋を出して、その中身をヒカルの手のひらに落とした。
「あなたに元気がない時はこれを食べさせてやってくれと、殿下から預かったのです」
「!」
ヒカルの手の上にあるのは、星の形をした金平糖だった。
一粒口に含むと、甘い味が広がった。
「それはわかりません。バーム教団に弱みを握られているか、あるいは──」
ヤクモが口を閉ざして考え込む。
「……ヤクモさん?」
「何を企んでいるかは本人に聞くしかないでしょう。きっと私たちがここに来たのも、彼女の想定内でしょうから」
ミーナ──いや、神の子マナミの目的はエメラルドの石なのか?
それとも、神の子としてこの世界をどうするか話し合うため? いや、後者ならこんな回りくどいやり方はしないだろう。
「……っ……」
ヒカルは歯を食い縛った。
自分は神の子として何もできない──。
何もできない上に、周りを不幸にしてばかりだ。だから魔女と言われても仕方ないのかもしれない……。
「──様、ヒカル様」
「あっ……ごめんなさい、また考え事──」
「手を、お出しください」
「え?」
ヤクモはヒカルの前に跪くと、懐から小さな布の袋を出して、その中身をヒカルの手のひらに落とした。
「あなたに元気がない時はこれを食べさせてやってくれと、殿下から預かったのです」
「!」
ヒカルの手の上にあるのは、星の形をした金平糖だった。
一粒口に含むと、甘い味が広がった。
