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ぼっち─選択はあなたに─

第23章 屋敷潜入

「エルザ様っ……」
「ああもう、私お腹ペコペコよ? 無駄に動いたから、喉が乾いてしまったわ。今日の食事は……そうね、あのヒカルという娘がいいわ」
「!」

 ヒカルの名前が出たことに、レシピェールは反応する。

「エルザ様……ヒカルはだめです……」
「どうして?」
「ヒカルは殺すなと、ザッハ伯爵様からのご命令でして……」
「なんですって!?」

 オルバの言葉に、エルザは今度は嫉妬に狂う。

「今までそんな事一度も言わなかったのに、なぜ……なぜザッハ様はあんな小娘をっ……アアアアア!!」

 ついにエルザが完全にキレてしまった。
 もうこれ以上は見ていられないと、レシピェールはエルザの背後に回って羽交い締めにする。

「離しなさいっ……離せぇぇぇええ!!」

 レシピェールはわざとエルザに腕を噛み付かれる。

「どう? アタシの肉は弾力があって噛みごたえあるでしょ?」
「アアアッ……歯がぁぁぁ!」

 あまりの固さに涙ぐんでいるエルザの顎を掴むと、レシピェールは等身大鏡の前に立たせた。

「ねえ見てよ、今のあんたの姿。何百人もの娘たちを食べてきたわりには、全っ然美しくないわよ」
「……っ!」
「髪はボサボサ、皮膚はボロボロ、あちこちシワだらけで、まるで鬼女ね!」
「!?」

 

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