
ぼっち─選択はあなたに─
第22章 闘技場
「やあああああっ!」
メキユの包丁から、薔薇のツルが生き物のように生えてくる。逃げるシャドーを捕らえると、ギチギチに巻き付き締め上げた。そして身動きできないところをメキユが炎の包丁で切り刻む。
クロードは改めてメキユの強さを目の当たりにし、できればもう二度と戦いたくないと思った。
「大丈夫べか?」
そしてクルリとこっちに振り返ったメキユのあどけない表情を見てホッとする。
「ああ、助けてくれて感謝する」
闘技場にはもうシャドーの姿は見当たらなかった。残りは逃げてしまったようだ。クロードの周りを囲んでいた炎もいつのまにか消えていた。
「クロード、メキユ!」
カツカツとヒールを鳴らしながら、ユズリノが観客席の階段から降りてくる。
「クロード、大変なの。ヒカルがっ……」
「ああ、知ってる。すぐに助けにいく」
「おらたちも行くべ!」
「……いいのか?」
「仲間が一人、向かってるの。ほっとけないわ」
「すまない」
三人は顔を見合わせ頷くと、闘技場から出ようと走り出した。
「そうはさせぬ」
その時、耳をつんざくような音が辺りに響いた。
「な、なに!? 耳がっ……」
更に弦楽器の不協和音が頭の中に響いてくる。
メキユの包丁から、薔薇のツルが生き物のように生えてくる。逃げるシャドーを捕らえると、ギチギチに巻き付き締め上げた。そして身動きできないところをメキユが炎の包丁で切り刻む。
クロードは改めてメキユの強さを目の当たりにし、できればもう二度と戦いたくないと思った。
「大丈夫べか?」
そしてクルリとこっちに振り返ったメキユのあどけない表情を見てホッとする。
「ああ、助けてくれて感謝する」
闘技場にはもうシャドーの姿は見当たらなかった。残りは逃げてしまったようだ。クロードの周りを囲んでいた炎もいつのまにか消えていた。
「クロード、メキユ!」
カツカツとヒールを鳴らしながら、ユズリノが観客席の階段から降りてくる。
「クロード、大変なの。ヒカルがっ……」
「ああ、知ってる。すぐに助けにいく」
「おらたちも行くべ!」
「……いいのか?」
「仲間が一人、向かってるの。ほっとけないわ」
「すまない」
三人は顔を見合わせ頷くと、闘技場から出ようと走り出した。
「そうはさせぬ」
その時、耳をつんざくような音が辺りに響いた。
「な、なに!? 耳がっ……」
更に弦楽器の不協和音が頭の中に響いてくる。
