
ぼっち─選択はあなたに─
第5章 ソルトの町【選択3】
外に出ると、ちょうど町に明かりが灯った。ぼんやりとした明かりだが、ないよりはマシだ。
レイナの地図を見ながら歩くと、本当に仕立て屋はすぐ近くにあった。事情を話して制服を渡すと、ヒカルは元来た道を歩こうとした──その時。
「え~ん、え~ん」
どこからか、子供の泣き声が聞こえた。
周りの人たちには聞こえないのか、みんな何事もなかったかのように足早に歩いている。いや、これはシャドーの罠だと気づいていて知らぬフリをしているのか。
『シャドーの声に耳を傾けるなよ』
クロードの忠告を思い出す。
(そうだ、迷っちゃいけない。これはシャドーの声だ。耳を傾けちゃいけない……)
「ママぁ! パパぁ! どこなの? 僕一人で怖いよぉ!」
さっきの子供の声がまた聞こえる。でも今度は同じ言葉じゃない。崖の下で襲われた時はずっと「おーい」だった。
(じゃあ本物の子供が迷子に──?)
その時、今度は別の方向から「う……うう……」と男の唸る声が聞こえてきた。
こっちは明らかに怪しい。が、とても苦しそうだ。
【選択3】
ヒカルの行動を選択してください。
A.泣いている子供を探す
B.唸っている男を探す
レイナの地図を見ながら歩くと、本当に仕立て屋はすぐ近くにあった。事情を話して制服を渡すと、ヒカルは元来た道を歩こうとした──その時。
「え~ん、え~ん」
どこからか、子供の泣き声が聞こえた。
周りの人たちには聞こえないのか、みんな何事もなかったかのように足早に歩いている。いや、これはシャドーの罠だと気づいていて知らぬフリをしているのか。
『シャドーの声に耳を傾けるなよ』
クロードの忠告を思い出す。
(そうだ、迷っちゃいけない。これはシャドーの声だ。耳を傾けちゃいけない……)
「ママぁ! パパぁ! どこなの? 僕一人で怖いよぉ!」
さっきの子供の声がまた聞こえる。でも今度は同じ言葉じゃない。崖の下で襲われた時はずっと「おーい」だった。
(じゃあ本物の子供が迷子に──?)
その時、今度は別の方向から「う……うう……」と男の唸る声が聞こえてきた。
こっちは明らかに怪しい。が、とても苦しそうだ。
【選択3】
ヒカルの行動を選択してください。
A.泣いている子供を探す
B.唸っている男を探す
