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甘い鎖~縛られて溶かされる~

第12章 不安になる

「あいつらここに住むのかよ」



リビングのソファに座ってぼんやりしていたら、背後から声が聞こえた。



「悠樹くん」



「やめてくれよな」



あたしと同じことを考えてた。



悠樹くんはうんざりした顔であたしのとなりに座る。



「女が増えたらうるさくなる」



ドキ…



「それってあたしのことも言ってる?」



「お前は別にうるさくない。逆に大人しすぎるくらいだし」



ちょっと、ほっとした。



「あたしはいてもいいんだね」



「いまさら」



悠樹くんは素っ気なく言ったけど、あたしにはそれが嬉しくてたまらない。



「志桜さん、結婚するのかな?」



「どうでもいい。俺には関係ない」



「でもお姉さんができるわけだし、関係なくないよね」



悠樹くんがあたしを睨む。



嫌なのかな…



「姉なんか、お前だけでいい」



「え…」



ドキ…



「そ、それ…どういう意味?」



悠樹くんはあたしが姉になったら認めてくれるの?



もし、あたしと志桜さんが結婚したら、認めてくれる?



「なんだよ?何睨んでんだよ?」



「睨んでないよ。ちょっとびっくりしちゃって。でも嬉しいよ」



悠樹くんは真っ赤な顔をして黙った。



このお屋敷に来たばかりのときは悠樹くんはひとことも話してくれなかったのに。



今は本当の姉弟みたいに接してくれる。



本当の姉になれたらいいのに…



ドクン…



本当の、姉…



あたし、ずっとここにいたいの?





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