無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

シャワーを浴びているとき、鏡を見て全身についた痣に驚愕した。



「あ…！や、だ…」



知らないうちに、すごい数のキスマークを付けられていたんだ。



腕を縛られて無理矢理、何度も、イカされて…



叩かれて…



思い出すと急に鼓動が速くなった。



恐怖心が襲ってきて、体が震えた。



力が抜けてしまい、あたしは床に座り込んだまま立てなくなってしまった。



シャワーの湯が容赦なくあたしの頭上に降り注ぐ。



「カ、ラダ…洗わなくちゃ…」



そうだ。あたし、汚れてるから…



きれいに、しなくちゃ…



だけど体が動かない。



しばらくすると浴室の外から志桜さんに声をかけられた。



「優依、少し長いけど大丈夫？」



「だ、い…」



ぜんぜん、大丈夫じゃない。



涙が出てきて止まらない。



晃くんが恐ろしい顔をしてあたしを殴ろうとする。



その光景が幻となってあたしの目の前に現れる。



「きゃああっ！」



恐怖に震えながら悲鳴を上げてしまった。



「優依！」



志桜さんが浴室に飛び込んできて、座り込んだあたしを抱きかかえた。



あたしは泣きじゃくりながら、彼を見つめる。



「ごめん、なさい…ぶたないで…」



なぜか、志桜さんに殴られると思ってしまった。



どうしてそう思ったのかわからない、けれど。



あたしの頭は混乱していた。