
※私はドMじゃありません!
第3章 round3.バスルームにて
その日も、私は彼の股の間に入り、少し熱めに設定してある湯船に浸かる。
(一緒にお風呂すき、でも、明るいところで裸見られるの、はずかしい…っ)
「あず、」
彼が横から覗き込んできて、深いちゅーが流れ込む。
これだけで体温が上がるのがわかり、一気にのぼせてしまいそうになる。
「ん、ふっ………んん」
元々、キスはそんなにすきではなかった。
自分の口臭とか、舌の短さが気になって、集中できなかったからだ。
しかし、彼とのそれは、不思議と嫌じゃない。
むしろ、たまに焦らされて自分からくっつけにいくほどになってしまった。
「可愛い」
キスだけでゆでだこのようになっている私の顔を見て、満足そうに微笑む。
彼は自他共に認めるドSだが、構って欲しがりで、優しくて、甘い。
毎日私に好きとか可愛いとか言ってくれるし、大人っぽいのに甘え上手だ。
ムカつくのに、許してもらう術を心得ていてずるい。
「きれいだよ」
「…そうでしょ」
彼の言葉で照れるそぶりを見せるのは悔しいので、いつもプライド高い女を演じて返している。
本当はすごく嬉しいし、もっと可愛い反応がしたいんだけど。
自分は本当に拗れているなと思う。
しかし、そんな私の様子にも嬉しそうな顔をして、彼の腕は後ろから回り込んできた。
