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美少女は保護られる〜私の幼なじみはちょっと変〜

第10章 君とハッピーバースディ



「わぁー! ありがとうっ!絶対に大切にするねっ!」

三人から合同で貰ったプレゼントを見つめ、感激に瞳を輝かせる私。

それは、私が以前から欲しがっていたバックだった。

三万近くもするバックに、私は欲しいと思いながらも諦めていた。
バイトもしていない私には、とても手が出せる金額ではなかったから。

きっとバイトをしているお兄ちゃんとひぃくんが、そんな私の為に奮発してくれたのだ。

「本当にありがとうっ! 嬉しすぎるよっ……!」
「その代わり、勉強頑張れよ」

うっ……。
お兄ちゃんに痛いところを突かれる。

そんなお兄ちゃんは、推薦でもう大学まで決まっている。
勿論ひぃくんも。

バイトに家事までして、その上勉強までできるお兄ちゃんて……。
きっとバケモノなんだと思う。

「……はい」

少ししょんぼりとする私にクスリと笑ったお兄ちゃんは、ポンポンと頭を撫でると「ちゃんと見てやるよ」と優しく笑った。

いや……。
正直、スパルタなお兄ちゃんには見てもらいたくない。
そんな事を思った私は、思わず笑顔が引きつる。

そんな私の心情を察したのか、彩奈がプッと小さく笑った。

「花音、俺からはもう一つプレゼントがあるんだー」
「えっ?! 何、何?!」

ひぃくんの言葉に、キラキラと瞳を輝かせる。

いつも三人合同なのに、今回はもう一つあるの?!
やっぱりそれは……恋人だから?
恋人ってなんて素敵なのっ!!

すっかり浮かれる私。

「はい、これ。ずっと楽しみだったんだ、花音の誕生日が来るの」

そう言って封筒を差し出すひぃくん。

……?
何だろう……手紙?

不思議に思ってひぃくんを見ると、幸せそうにニコニコと微笑んでいるひぃくん。


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