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一夫多妻な三姉妹

第1章 ブス三姉妹

うちは「漬物屋」である…。

おじいちゃんの頃から続く、いわゆる3代目というやつで、3代目を次いでいるのは、姉の真由子だ。

私は次女でさやみ、まだ下に妹の奈々がいる。


昔はよく同級生たちに「臭え、臭え」とからかわれた。

全国の漬物屋の子供はみんなそうじゃないだろうか?

それに、私達姉妹は揃いもそろってデブときているのだから、イジメる要素がふんだんにあるのだ。


私が18のとき、両親が離婚し、そのショックで酒を煽るようになった父も3年前他界した。

漬物屋にも塩屋や八百屋といった得意先があって、その中の親切な一人が私たち姉妹に商売のノウハウを教えてくれた。

その時姉はまだ21才で妹は16だった。


商売は嘘のように上手くいき、売り上げは以前より50倍も増えた。

だけど、ブサイクデブ3姉妹は恋愛に恵まれず、このまま年を取っていくことに漠然たした不安と恐怖のようなものを感じていた。

姉の真由子は三十路で私は25、妹は23歳。

商店街の組合の間では「森三中の漬物屋」と呼んでいるそうだ…。

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