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【new】淋しがり屋のドロップス

第1章 過保護注意

「夜空、結婚しようよ」

もっと、できるなら一緒にいたかった。
暖かい記憶はいつの間にか真綿で僕を縛り付けていたんだ……。




【君だけにさりげなく……】

近衛 夜空 どこにでもいる普通の高校一年生。だと思う。

「えーまた、パパもママも帰れないの?」

どうして、だと思う。かと言うと、うちの家族は少しだけ特殊で、
両親がまずクォーター同士、兄弟ばかり五人いて、
僕以外はみんなスーパーモデル並みの容姿に平均身長184㎝以上、
おまけに長男が小説家、
次男三男が双子でそれぞれ、柔道と空手の日本代表選手、
先月二人揃ってスポンサー決定、
そして、
僕を飛ばして末っ子が来年ウィーンの音楽学校に特待で留学が決定している、
バイオリニストときている。

そんな中、僕だけは至って平均に育ったのだ。

兄弟の中での平均ではなく、世の中一般的にという意味なので、悪しからず。
身長165㎝(成長中)ハーフっぽい日本人。得意科目家庭科苦手科目数学。
特に秀でた特殊能力は無し。
家族の事以外は全部普通なんだ。
あ、でも、みんな色々と忙しいので両親が海外勤務しているから兄弟五人分の家事は僕が担当している。

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