
たけるとみかる―双子みたいな幼なじみ―
第2章 佐倉武
――小学四年生。
「え!? 武、うちの隣に引っ越してくるの!?」
自分のベッドの上でゴロゴロしていた実果留が、床に座っている俺に勢いよく飛びついてきた。
「あぁ。親がやっと新しい家を見つけたのが、実果留んちの隣だったんだぜ! 今度の日曜に、おばあちゃんちから引っ越すんだー」
「やったぁ! それならすぐに遊びにいけるね!」
「おうよ! それに、一人部屋も貰えるんだぜ。だから実果留、いつでも来いよ!」
「うわぁー、武の部屋かぁー……楽しみー!」
実果留、まるで自分が新しい家に引っ越すみたいに嬉しそうにしてるよな。見てるオレまで嬉しくなる。
早く実果留の隣に引っ越したい。
すんげぇ楽しみだなー。
