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ふぃくしょんエッチ

第3章 トウメイニンゲン

ガラガラ…カランカラン…

「ク、クリス…?」


煙が段々と引いていく。
そこには悲惨な光景が広がっていた。


散らばり、重なりあう大きくて
野太い鉄の棒。


「い、いや…そんなのいや…」


さっきまで感じていた痛みも恐怖も
この時には既に吹き飛んでいた。

息子が…下敷きに…。


生きている………と考える方が
この状況では難しい。


だけど。



「………え…くっ…」


「!!!!!!!!」


クリス?


そう、クリスのぐぐもった声が
マリアには確かに聞こえた。


「クリス!!」


重たい棒を一本、また一本と
退けていく。


「エック…エック…」


「クリス…」


クリスは、無事だった。


どこを怪我しているわけでもなく
骨折もしていない。



………………どうして?




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