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ふぃくしょんエッチ

第3章 トウメイニンゲン

携帯を握ったまま動けない。


いや、動きたくなかった。


外部に漏れてしまった。

墓場まで持っていくはずだった
ひみつが。


この事が世間に漏れたら?

きっと死刑だ。
クリスやマリアにだって…
汚れたレッテルが貼られてしまう。


だが、相手が人間じゃないとしたら?


本当に呪いなら?


人間じゃないって………
どういう意味だよ……………。


不思議に夜空の星が俺を
見つめている気がする。


星の数だけ、俺は人を殺めた。


人を殺めた罪悪感なんてない。

俺の一番はクリスだ。
クリスが助かれば、それでいい。


「はは…死人が今ごろ悪あがきを?
俺を責めるなら好きなだけ責めろ!
息子のためなら命の一つくらい
くれてやる!」


乱暴に窓を閉めると
微かに星達が遠退いた。



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