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突然の出逢い ( N×M )

第3章 lily .





「俺、松潤がいないときも通いつめてさ、翔くんにアタックしてたんだよ!」





「へぇ~さすが!」






俺は何だかあっさりかずくんと引っ付けたのに
雅紀はこうして真面目にアタックして実らせようとしているのを見て
申し訳ない気持ちと上手くいって欲しいと思った。





雅紀も同じくオトコどおしの恋愛をしている

ということなんか忘れていて。







久しぶりに歩いた薄暗い路地の道。



2つ角を曲がったところに店はある。




「翔ちゃん指名されてないといいなぁ〜」





俺もかずくんがいることを願って入った。





「いらっしゃ... あ、」



「どうも、急に来てすみません。
かずくんいますか?」





「ニノねぇ...いるっちゃいるんだけど...」




確かに奥にいるのが見える。


なのに濁す意味が分からなかった。



「二宮さーん!」




「ちょ、ちょっと!」




空気の読めない雅紀が構わず叫んだ。



しかしかずくんは振り向きもしない。



聞こえてない訳ないのに...。





すると立ち上がりこっちに向かってきた。




何だ気づいてたんだ。




と思った矢先俺たちをひらりと交わして
立ち去ろうとする。




「かずくん!」





俺のこと?といったような顔で振り向いた。





「かず...くん?」





何だかいつもと目が違う。




暗いような何か秘めた目。





「かずくんって誰?

俺、柊(しゅう) だけど。」







_ しゅう ...?






いや、目の前にいるのは正真正銘の
かずくん。







突然のことで頭が真っ白になった。






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