俊光と菜子のホントの関係
第8章 『かけがえのない兄妹』
「お兄ちゃん……。『かけがえのない』って、なぁに?」
初めて聞いた言葉。わかんない……何だろう?
「かけがえのないってのは、
『かわりになるものがない・このうえなく大切な』ってこと」
「……?」
「はは、まだわかりづらいか。うーん……つまり……
俺の妹は、菜子だけ……ってことだよ」
「え……私だけ?」
「うん、菜子だけ。
他のコじゃダメなんだ。代わりなんていない。
俺のたった一人の……大事な、可愛い妹だ」
「…………」
たった一人の、大事な……可愛い妹。
お兄ちゃんの妹は……私だけ。
私だけなんだぁー。
それって……スゴくうれしいよぉー。
「……わかったか?」
「うん、わかったよ!」
私……もう気にしないよ。
お兄ちゃんが、妹は私だけって言ってくれたから、
似てないって言われても、もう平気だよ!
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