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友達のままがいい

第3章 (過去)中学生

則ちゃんが学校に現れると、静まっていた噂話は復活する。
白い目で則ちゃんを見ては腫れ物に触るかのように周りからヒソヒソ話が私たちの耳に入ってくる。
廊下ですれ違う先生たちも則ちゃんのことを良い目で見てはいない。
このまま学校を休んでくれていたほうがよかったとでも言うように、則ちゃんにやさしい声をかけてくれる先生はひとりもいなかった。
徐々に明るさをなくす則ちゃんと別れて自分の教室に戻ると、私のクラス内でも則ちゃんのことが話題になっていた。
則ちゃんは悪くない、あれは真っ赤な嘘だと説明しても取り合ってはくれない。
孤立していく則ちゃんをほっとけなくて、お昼休みはお弁当を持って則ちゃんのクラスに足を運んだ。
決めていたことじゃないのに、則ちゃんの周りにはみんながいてくれてワイワイと楽しいお昼を過ごすことができた。
私たちも同じように白い眼をむけられたけど関係ない。
私たちは則ちゃんを守るのだと、それぞれに誓っていた。
いつも一緒にいて、笑いあっていれば自然と噂は沈静化を見せ始めた。
そして、決定打を打ったのは元カノだった。

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