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友達のままがいい

第3章 (過去)中学生

満開に咲き乱れていた桜が散り、照りつける太陽が日に日に強さを増す季節になった。

「遅くなってごめ~ん」

少し息を弾ませ校舎裏に顔を出せば、小学校から一緒だった仲間がワイワイ話しながらお弁当を食べていた。

「遅い!!遅いから食べちゃってるよ」

「ごめ~ん。でも聞いてよ~。英語の先生、チャイムが鳴っても授業続けるんだよ。お弁当食べる時間減っちゃうよ」

みんなの輪の中に入り、遅くなった理由を言いながらお弁当を広げた。
その中に小学生の頃に気になっていた則ちゃんもいて、いつの間にか則孝くんから則ちゃんに呼び名は変わっていた。

「あの英語の玉ちゃんだろう?俺らなんて次の時間が体育でさぁ、いっつもギリギリだよ。どうにかしてほしいわ」

「有名らしいよ。平気で休み時間まで授業するって。」

クラスが違っても習う先生は同じだから愚痴も同じになる。
中学になってクラスが別になって寂しいと泣いたこともあったけど、お昼休みは集まって一緒にお弁当を食べるから寂しくはない。

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