
友達のままがいい
第6章 未来
言っている意味が分からず首を傾げると、ため息をつきながら部屋にあがってきた則ちゃんは―――――私の背中に抱きついてきた。
手を前で交差させギュッと力を入れて私を抱きしめる。
いったい何が起こったのか分からず固まっている私の耳元で、則ちゃんは静かに囁いた。
「…人がせっかく…手放そうとしてるのに…」
「則ちゃん・・・?」
辛うじて出した声で則ちゃんの名前を呼ぶ。
則ちゃんは私の肩に顔を埋めて何も言ってはくれない。
この状況が何を意味するのか分からない私は、心臓がドキドキと早打ち呼吸が荒くなる。
「のっ…則…ちゃんっ」
「んっ…もう少しこのまま…このままでいさせてっ」
甘い声が耳に届き身体が熱くなるのが分かった。
こんな艶のある声を聞いたことがない。
こんなにもドキドキしたこともない。
ただ、抱きしめられる腕の温もりが暖かくて、心の中が幸せで充満するのだけは分かった。
そう思うと、好きという気持ちが溢れてくる。
この思いを心の中だけに留めておくことができなくなり、言葉にする。
「則ちゃん!あっ…あのっ…則ちゃんが…すき」
「好きだよ…文香」
手を前で交差させギュッと力を入れて私を抱きしめる。
いったい何が起こったのか分からず固まっている私の耳元で、則ちゃんは静かに囁いた。
「…人がせっかく…手放そうとしてるのに…」
「則ちゃん・・・?」
辛うじて出した声で則ちゃんの名前を呼ぶ。
則ちゃんは私の肩に顔を埋めて何も言ってはくれない。
この状況が何を意味するのか分からない私は、心臓がドキドキと早打ち呼吸が荒くなる。
「のっ…則…ちゃんっ」
「んっ…もう少しこのまま…このままでいさせてっ」
甘い声が耳に届き身体が熱くなるのが分かった。
こんな艶のある声を聞いたことがない。
こんなにもドキドキしたこともない。
ただ、抱きしめられる腕の温もりが暖かくて、心の中が幸せで充満するのだけは分かった。
そう思うと、好きという気持ちが溢れてくる。
この思いを心の中だけに留めておくことができなくなり、言葉にする。
「則ちゃん!あっ…あのっ…則ちゃんが…すき」
「好きだよ…文香」
