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「平日だけど、春休みだから
やっぱ混んでるなぁ」

園内に入ると平日とは思えない人の数

「ほんと…みんな学生っぽいね
俺も中学の卒業旅行で来たしなぁ」

「え？翔ちゃん、ディズニーデート経験済み？」

「いや、デートじゃなくて…
男友達数人とバスツアーで来たんだよ」

「そっかぁ…
俺、初デートはココって決めてたんだよね」

だからデートじゃないって…

「…俺、他の場所ではデート経験済みだけど…」

「あ〜いいよ、それは。
相手の人にそこまで求めてないから
俺が初デートをここでしたかっただけ」

「なんで拘ってるの？そんなこと」

「いや、なんとなく？
好きな人との最初のデートは記憶に残して置きたいから
デートの王道って場所ですれば忘れないかな、って
翔ちゃんも遊びには来たことあっても
デートで来るのは初めてなんだろ？」

「うん…」

「だったら翔ちゃんの記憶にも残るよね？」

「たぶん残るね」

そう言うと智くんは嬉しそうに『んふっ』て笑った

そんなに嬉しいんだ…ディズニーでの初デート…

って、いつのまにか俺の中でもデートになってんじゃん！

さっきも普通に『たぶん残るね』とか言っちゃってるし！

いかんいかん、これはデートじゃないから！

…でも、嬉しそうな智くんを見ると
否定出来ない俺がいる