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take a breather

第11章 君のうた

放課後も5人で集まって他の曲も翔に練習してもらった

もうすぐ学祭もあるし

それまでに何曲か演奏出来るようになれば正式に5人目のメンバーとしてお披露目

「ねぇねぇ バンド名はどうするの?」

「もう一個『O』足すか?」

「今まで通りでいいんじゃない?
『Mona』自体が翔ちゃんを表してるようなもんだし」

「どう言う事?」

「4人の名前組み合わせただけだろ?」

「それもそうなんだけど
後々調べたら『Mona』はスペイン語で『お人形』なんだって
そこから派生して『お人形のように可愛い』って意味でも使われるんだってさ」

「へぇ〜、ニノよく調べたねぇ」

「だってバンド名に変な意味があったら嫌だろ?
だから念のためね」

「さすがだな、ニノ」

「この名前考えたのおおちゃんだよね?
たまたまなんだろうけど、よかったよねぇ」

「たまたま、ねぇ…」

「え?違うのか?」

「さぁ…あの時の我々は楽器の練習に追われてたから名前考えてる所じゃなくて
智に一任しちゃったから」

「智 どうなの?意味まで考えてつけたの?」

ニノのヤツ…調べてたのか…

俺も最初は適当に並べて考えてた
それなりに聞こえがいい名前にしようと思って…

そしていくつかの候補を挙げて
ニノと同じようにそれぞれの意味を調べた時に『これだ!』ってなったんだ

幼い頃からずっと思っていた…

『お人形のように可愛い翔』

俺にとっては翔のことを意味する言葉…

だから『Mona』に決めたんだ

でも恥ずかしくてそんな事言えるわけないだろ…

「たまたまだよ…たまたま」

「だよなぁ…智がそんなとこまで考えるわけないもんな」

「そうだよねぇ…おおちゃん基本面倒くさがりだから」

その面倒くさがりな俺が
翔のことだけは手を抜けないんだよなぁ…

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