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青色と黄色の短編集

第6章 お芝居(番外編)




「今日は満月なんだね」

ってニノがいうから外を見てみた。







黒い空に丸くて黄色い月…



確かに綺麗だね…。






普段外に出ないし自然が苦手なニノは


家にいても見られる月が好きなんだって。






どこまでもニノだな…(笑)







せっかくだからベランダに出てみた。






「全然気が付かなかったな…」





「月に1回じゃそんなに珍しくもないもんね」






「そうだね」






「電気だらけの街で見られる天体ってさ、

月ぐらいなんじゃない?」





「そうかもなぁ…」








ニノの相変わらずの視点に感動だよね。




独特な感性が魅力なんだよ。








「潤くん…」




ニノが俺を呼ぶ。



「なに?」








何の話かな、








と、考える間もなく両手で頬を包まれた









次に感じたのは





唇にニノの体温が触れたことだった。









キス……






された………!?








思わず目を見開いたけど





間近にあるニノの瞳は溶けそうで





優しく見つめてくるから


俺は目を閉じられなかった…。






どうして…?



何この状況……現実…?







数秒くらいこの状態が続いて





最後は唇を少し強く押し当てられて


ニノはゆっくり離れていった。




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