
青色と黄色の短編集
第5章 大野さん生誕祭
Oside
よく行ってたご飯屋さん。
よく画材道具買いに行ったお店。
よくため息つきながら歩いた公園。
でも今は一人ぼっちじゃない。
あの頃からずっとニノと一緒で、
今も隣にいる。
あの時事務所辞めなくて良かった。
心からそう思う。
おいらの誕生日だけど、
ここにニノを連れて来たくて。
苦しかった日々を支えてくれたニノと
この町を歩いてみたくて。
公園にある休憩用の椅子と机。
今も変わらず木で作られたのが残ってる。
そこに腰掛けながら
「もう秋なんだね」って
イチョウの木を眺めるニノ。
その姿があまりにも自然体で綺麗で
絵に描き残しておきたくなった。
「え、ちょっとなに?」
「そのままじっとしててよ」
美しいラインの輪郭
優しい光をたたえる瞳にすらっとした鼻。
素朴だけど暖かい雰囲気。
ニノの優しさは全身から溢れ出てる。
ずっと一緒にいたい。
10分くらい鉛筆を走らせた。
モノクロだけど
絵の中のニノは輝いて見える。
それが今のおいらの気持ちなんだ。
辛い記憶が蘇っても
今はこうしてニノがいる。
電話越しに喋ってくれるだけで、
一緒にいられるだけで
それだけでいいの。
ものなんて要らない、
隣で微笑んでくれるだけで
おいらにとってプレゼントになるの。
だからニノのことを大事にしたい。
ニノが辛い時は支えたい。
強がりで元気なふりが上手いニノを
見逃したくない。
ニノが感じることはおいらも感じたい。
これからも心地いい時間を共有したい。
どんな時だって一緒にいようね。
end
よく行ってたご飯屋さん。
よく画材道具買いに行ったお店。
よくため息つきながら歩いた公園。
でも今は一人ぼっちじゃない。
あの頃からずっとニノと一緒で、
今も隣にいる。
あの時事務所辞めなくて良かった。
心からそう思う。
おいらの誕生日だけど、
ここにニノを連れて来たくて。
苦しかった日々を支えてくれたニノと
この町を歩いてみたくて。
公園にある休憩用の椅子と机。
今も変わらず木で作られたのが残ってる。
そこに腰掛けながら
「もう秋なんだね」って
イチョウの木を眺めるニノ。
その姿があまりにも自然体で綺麗で
絵に描き残しておきたくなった。
「え、ちょっとなに?」
「そのままじっとしててよ」
美しいラインの輪郭
優しい光をたたえる瞳にすらっとした鼻。
素朴だけど暖かい雰囲気。
ニノの優しさは全身から溢れ出てる。
ずっと一緒にいたい。
10分くらい鉛筆を走らせた。
モノクロだけど
絵の中のニノは輝いて見える。
それが今のおいらの気持ちなんだ。
辛い記憶が蘇っても
今はこうしてニノがいる。
電話越しに喋ってくれるだけで、
一緒にいられるだけで
それだけでいいの。
ものなんて要らない、
隣で微笑んでくれるだけで
おいらにとってプレゼントになるの。
だからニノのことを大事にしたい。
ニノが辛い時は支えたい。
強がりで元気なふりが上手いニノを
見逃したくない。
ニノが感じることはおいらも感じたい。
これからも心地いい時間を共有したい。
どんな時だって一緒にいようね。
end
