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青色と黄色の短編集

第1章 命の恩人はすぐそばに

Nside



もう僕なんて生きてたって…っ


会社では上司に怒られるし
実家に帰れば両親に否定される。

こんな陰キャラな僕に友達なんていない。

趣味も特技もこれといってない。

生きてて、楽しくない。


だから…決意したんだ…。




マンションに着いて自分の部屋には帰らずに

屋上へと続く階段を駆け上がる。

はぁっ…はぁっ…

ただ飛び降りることだけを考えて
ドアを開ける。

若干スピードを落としつつも
足は止めなかった。



呼吸を整えながら柵を掴む。

この柵を越えればあとは小さな足の踏み場が
あるだけで

身体を前に倒せば地面に吸い寄せられる。



星空…綺麗だなぁ…


こんなふうに空を見上げるのも最期か

なんて思いながら柵に足をかけたときだった。



「何してるの?」



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