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青色と黄色の短編集

第4章 おやすみなさい

Nside




一人暮らしを始めてもう15年以上。



家に帰っても誰もいないのが当たり前で。





家族と一緒に住んでた頃は


「おはよう。」

「行ってらっしゃい。」

「おかえり。」



なんて言葉が飛び交ってたっけな。






今はもう慣れたけど、

時々人恋しくなる時があるもんなのよ。





さっき仕事の合間にホームドラマ見たせいかな。



仕事が終わってメンバーと別れるとき、

ちょっとだけ寂しい感じがした。





俺らしくない。

歳なのかもね(笑)








家のベランダに止まる鳥。


種類は分からない。





なんかくわえて飛んでいった。


虫かな?






あれは多分親鳥で。





ヒナにエサを持って行ってあげてるんだろうな。





あの鳥にも大切な家族がいるんだ。







人間にもそれぞれ家族がいて、


家族じゃなくても大事な人がいるもんで。





考えながらベランダに出てみたら
風が冷たい。




好んで住んでるわけじゃない
高層マンションの上の方で一人暮らしって、


なんだか孤立しているように感じて。





なんだか今日は人と話したい気分。




あの人なら…暇だよね。



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