
『untitled』
第2章 青春18きっぷ
〈二宮side>
新入部員を迎える日がやってきた。
「おい、何怒ってんだよ」
「いえ、別に」
俺はあからさまに拗ねている。
そして自分自身に腹が立っている。
コンピュータ室にはすでに数人の入部希望の新入生が訪れていた。
揃いも揃って眼鏡をかけたガリ勉。
「これで情報処理部も安泰だな」
うんうんと頷きながら、マニアックな話でさっそく部員と盛り上がる集団を見つめる櫻井先輩。
「良かったぁ」
大野先生……
それって顧問を継続できる喜びですよね?
受けがいいなんて煽てられてした部活説明。
けどどう考えたってコイツらは俺の説明を聞いたから入部した訳じゃない。
最初から情報処理部に入るつもりだった。
それなら俺じゃなくても良かったんじゃん!
そもそも3年が仕事じゃん!
完全に……櫻井先輩に嵌められた。
「あの子は……いないな」
身体がピクッと震えた。
そんな事に怒っている場合じゃない。
櫻井先輩の耳に当然届いていた、部活説明の一連の出来事。
あの時は1人でも入部してもらわなきゃと必死だった。
じゃなきゃあんな行動しない。
でもあの人が入部する必要はもうない。
もし入部なんてしたら……
それこそ俺のゲームライフだけじゃなく、スクールライフは終わったも同然。
「失礼しますっ!
情報処理部に……入部させてくださいっ!」
いつかと同じ叫び声が入り口から聞こえた。
ニヤリと俺を見て笑う櫻井先輩。
俺……Game over.
【To be continued……】
新入部員を迎える日がやってきた。
「おい、何怒ってんだよ」
「いえ、別に」
俺はあからさまに拗ねている。
そして自分自身に腹が立っている。
コンピュータ室にはすでに数人の入部希望の新入生が訪れていた。
揃いも揃って眼鏡をかけたガリ勉。
「これで情報処理部も安泰だな」
うんうんと頷きながら、マニアックな話でさっそく部員と盛り上がる集団を見つめる櫻井先輩。
「良かったぁ」
大野先生……
それって顧問を継続できる喜びですよね?
受けがいいなんて煽てられてした部活説明。
けどどう考えたってコイツらは俺の説明を聞いたから入部した訳じゃない。
最初から情報処理部に入るつもりだった。
それなら俺じゃなくても良かったんじゃん!
そもそも3年が仕事じゃん!
完全に……櫻井先輩に嵌められた。
「あの子は……いないな」
身体がピクッと震えた。
そんな事に怒っている場合じゃない。
櫻井先輩の耳に当然届いていた、部活説明の一連の出来事。
あの時は1人でも入部してもらわなきゃと必死だった。
じゃなきゃあんな行動しない。
でもあの人が入部する必要はもうない。
もし入部なんてしたら……
それこそ俺のゲームライフだけじゃなく、スクールライフは終わったも同然。
「失礼しますっ!
情報処理部に……入部させてくださいっ!」
いつかと同じ叫び声が入り口から聞こえた。
ニヤリと俺を見て笑う櫻井先輩。
俺……Game over.
【To be continued……】
