
二人のキセキの物語 MN
第66章 再会の二人1 翔
「何だよこれ・・・」
今よりずっと短気で鼻っ柱の強かった俺が
そんな扱いに納得できるはず無く
「面白くねぇ・・・やめてやるよ」
すぐさま回れ右をしてレッスン室のドアに手を掛ける
そんな俺の事を 誰も止めようとしないのも むかっ腹が立つ
わざと音を立てながら ガチャリとドアを開け
チラッと後ろを振り返ると
ざわざわしてるジュニアたちの一番前の列で
大野さんがこっちを見てた
その目には何の感情も読み取れない
けど、俺は 大切なものを投げ出そうとしてることを
責められたような気がして
居たたまれない気持ちで 足早にそこから去ってしまった
