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僕らのらんど

第11章 願い、そして…

「いや、僕はここにっ……え? いないってどういう意味?」

僕はまあやさんの次の言葉を待った。
でもなぜかそれから声が聞こえない。

「ちょっと待てよ……僕、死んだんだよな? 死んだからログアウトできるんだよな!?」

僕は真っ白な空間に向かって一人叫んだ。
でも答える人は誰もいない。

「嘘だろっ……じゃあここはどこなんだよ!?」

僕は真っ白な空間を走った。
でも走っても走っても、ただ真っ白な空間が広がるだけだった。

「そんなっ…僕だけログアウトできてない?」

冷や汗がダラダラと出てくる。
もしなんらかの不具合が起きて僕だけ異次元空間に放り出されたのだとしたら…。

ゾッとした。
じゃあ僕は永遠にここから出られないのか!?

嫌だ!!
そんなの絶対に嫌だ!!
僕も帰るんだ! 現実世界に!!

『───……』

その時、また誰かの声が聞こえてきた。

『───レーザー発射5秒前…』

「!!」

『──4、3、2……』

『──あかん! 少しズレた! 失敗や!』

虎生の声!
じゃあさっきから聴こえるのは、現実世界で実際に起きてること?

失敗したって大丈夫なのか?
生命体エネルギーは……。

『生命体エネルギーが8%足りません!! このままでは隕石が直撃します!!』

「!!」

生命体エネルギーが足りないって、どうするんだよ! みんなあんなに頑張って戦ったのに、なんで失敗するんだよ!!

このままではみんな死んでしまう。
まあやさんも月影もれんじもアカツキちゃんもみんなっ……。

その時、足元に色がついた。
それはフィールドを形成していくデータのようにどんどん広がっていく。

「えっ……」

僕の目の前に、森が出現した。
なんだかどこかで見たことのある風景だ。

「アキラ!」

誰かが僕の名前を呼んだ。
振り返ると、懐かしい人物がそこにいた。

「……トシヤ?」

「おう、探したぜ、アキラ! …ったく、急にいなくなるからびっくりしただろ!」

「トシヤ……トシヤだよな!?」

「は? なんだよ、そんな驚いた顔して…」


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