テキストサイズ

僕らのらんど

第6章 デスゲーム

「まずはお互いの自己紹介をしましょ。私は保健医の天野つくしよ。つくしでいいわ」

「…あっしはやんすと申します。ニートです」

やんすさんは猫背で俯きながらボソッと言った。
落ち着くと、普通に話せるらしい。

「オレは風早ひなた。今日からこの学校に通うことになってたんだけど…」

「2年3組の風早ひなたくんね。担任の今井先生から話は聞いてるわ」

そう言うとつくし先生は机の上にあるスマホを手に取った。

「ええと、まずは警察に連絡…ってなによこれ」

つくし先生の顔色が変わる。
必死にスマホ画面をタッチしている。

「なんなの、これはっ…」

「もしかして、つくし先生のスマホもこんな画面になってませんか?」

オレは自分のスマホ画面をつくし先生に見せる。
つくし先生は自分のと見比べると、驚き頷いた。

「あ、そ、そそそれっ…あっしもです!」

やんすさんもスマホ画面を見せてくれる。
そこにはやんすさんに似たひょろりとした格好のアバターが表示されていた。

「変なアプリが勝手にインストールされていて、ログアウトできないんです。しかもアプリを消すこともできない」

「そ、そそそそうなんです! しかも『モンスターが接近中!』とかワケわかめな警告音が鳴るしっ…こ、ここここれはっ…もしかしてあっしらはゲームの中へダイブしてしまったのでは!?と思ってるのですがっ…」

やや興奮気味にやんすさんは話した。
ゲームの中へダイブ…現実には有り得ないことだが、あの光景を見ると信じざるを得ない…。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ