
ビルの下でえんやこら
第3章 家族
時折、やつらの声らしきものが聞こえる。
だが、なにを言っているかはここからでは、ハッキリとは聞こえない。
(いったい、二人をどこに連れていく気だ……)
車で走ること約2時間。
その間、サボさんは意識を集中させ、妻、貞子から感じ取れる様子を少しも洩らさぬように受け入れていた。
車が止まった。
貞子の体が、何者かに担がれているのがわかる。
それは、サボさんにも感じ取れた。
(と言うことは、光希弥も……)
「おい、お前達!! 二人を離せっ!」
叫んでも無駄だった。これは、あの日に起きた、貞子の五感を感じているだけだ。
サボさんの声は聞こえない。
(これは、きっと貞子からのメッセージ……俺が知らなきゃいけないこと)
貞子の体はグッタリとしたまま、なにかに前から押さえつけられているようだった。
しかも、複数いる。
なにか、背中にあるようだ。
太くて、冷たいものが……。
そして、後ろにまわされた腕を、なにかで巻かれている。ビニールテープだろうか?
「!?」
なにかを口の中に詰められている。
それも、タオルのようなもの。
(妻になにを……光希弥……)
すると、少しずつだが、視界が鮮明になった。
貞子が、目を開けたのだ。
だが、なにを言っているかはここからでは、ハッキリとは聞こえない。
(いったい、二人をどこに連れていく気だ……)
車で走ること約2時間。
その間、サボさんは意識を集中させ、妻、貞子から感じ取れる様子を少しも洩らさぬように受け入れていた。
車が止まった。
貞子の体が、何者かに担がれているのがわかる。
それは、サボさんにも感じ取れた。
(と言うことは、光希弥も……)
「おい、お前達!! 二人を離せっ!」
叫んでも無駄だった。これは、あの日に起きた、貞子の五感を感じているだけだ。
サボさんの声は聞こえない。
(これは、きっと貞子からのメッセージ……俺が知らなきゃいけないこと)
貞子の体はグッタリとしたまま、なにかに前から押さえつけられているようだった。
しかも、複数いる。
なにか、背中にあるようだ。
太くて、冷たいものが……。
そして、後ろにまわされた腕を、なにかで巻かれている。ビニールテープだろうか?
「!?」
なにかを口の中に詰められている。
それも、タオルのようなもの。
(妻になにを……光希弥……)
すると、少しずつだが、視界が鮮明になった。
貞子が、目を開けたのだ。
