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先生の秘密

第5章 ◎三角関係

段々と近づいてくる先生の顔。
でもあたしは言ってしまったんだ…。
「…ゃだっ……」
そのまま先生の胸を押して、あたしは猛ダッシュで更衣室から出た。
後ろからはあたしを呼ぶ先生の声が聞こえたけど…
あたしは夢中で走った。
すると夢中で走っていたために突然誰かにぶつかってしまった。
「うわっ…」
「ひゃっ……」
つんのめってこけそうになるところを受け止めてくれたその人。
「大丈夫ですか…?ってここ!?」
顔を上げると和樹がいて。
どうやらぶつかった相手は和樹だったようだ。
部活が終わって、部室に戻るとこでばったりぶつかっちゃったみたいだ。
「…おまっ、何で泣いてんの!?
どっかケガした?」
気づけばあたしは泣いていたみたいで。和樹を見たら安心したのかな…?
「……かずき…」
一緒にいたサッカー部員に先行ってて、と伝えた和樹はあたしに向き直った。
「…何でこんなとこいんの?どうした…?」
和樹は頭を優しく撫でてくれる。
「野崎っ!」
先生の声。
どうやら追いかけてきたみたいだ。
何となくただならない先生とあたしの間の空気に和樹は気づいたみたいで…
B
あたしの頭から手を離し、先生のところへずかずか歩いていき胸ぐらを掴む。
普段からは想像できない和樹の姿。

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