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遠くの恋人より近くの同僚

第12章 二つのカミングアウト

酔いが回り、饒舌になった私は
凌馬のことを愚痴り始める。


「遠距離恋愛って……難しいですね」

「成瀬と五十嵐のことか?東京と静岡の
どこが遠距離なんだよ。
会おうと思えば直ぐに会える距離だろ」

「そんな簡単じゃないんですよ」

「ま、いずれにしても、成瀬に遠距離恋愛は
不向きかもな。嫉妬深そうだし」


当たっているだけに、反論の余地もない。


「本当に結婚出来るのかな……」

「不安か?」

「ですね……今の凌馬を信じたくても
信じられなくて……」

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