雪に咲く花
第28章 新たな繋がり
養父母の説得で、亘も都立の大学だけを受けることは承諾した。
進学したい気持ちはあったのだが、やはり、大学まで出してもらうとなると高い学費が必要になる。
数年後に定年を迎えようとしている養父に、これ以上負担をかけたくない。
高校まで行かせてもらっただけでも充分だ。
そうだ、試験に落ちれば、進学しなくてすむ。
養父母に見送られながら大学入試に向かったが、試験用紙を白紙で提出したのだ。
勿論、亘が本気を出せば解ける問題である。
当然、結果は不合格となり、進学への道は閉ざされた。
しかし、幸か不幸か、亘の計算した行為は、後に養父母に暴かれることになる。
受験した大学には、養父の同級生が教授を務めていた。
白紙で答案を出したことが、その教授により知られてしまったのだ。
そのことを知った養父は怒りを露にし、初めて亘を殴りつけた。
「これが、恩返しのつもりか!思い上がるな!……お前のしたことは裏切りだ。最低の行為だ」
養父母は、いつまでたっても他人行儀で自分の本心をさらけ出さない亘に、もどかしさを感じていたのだ。
進学したい気持ちはあったのだが、やはり、大学まで出してもらうとなると高い学費が必要になる。
数年後に定年を迎えようとしている養父に、これ以上負担をかけたくない。
高校まで行かせてもらっただけでも充分だ。
そうだ、試験に落ちれば、進学しなくてすむ。
養父母に見送られながら大学入試に向かったが、試験用紙を白紙で提出したのだ。
勿論、亘が本気を出せば解ける問題である。
当然、結果は不合格となり、進学への道は閉ざされた。
しかし、幸か不幸か、亘の計算した行為は、後に養父母に暴かれることになる。
受験した大学には、養父の同級生が教授を務めていた。
白紙で答案を出したことが、その教授により知られてしまったのだ。
そのことを知った養父は怒りを露にし、初めて亘を殴りつけた。
「これが、恩返しのつもりか!思い上がるな!……お前のしたことは裏切りだ。最低の行為だ」
養父母は、いつまでたっても他人行儀で自分の本心をさらけ出さない亘に、もどかしさを感じていたのだ。
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