雪に咲く花
第20章 亘の決意
亘は、第二の我が家に帰省していた。
「亘も立派になったもんだ。来たばかりの頃は死んだような目をしていたからな」
「これも、父さんと母さんのお陰です。あの一言があったからもう一度前を向く気になれたんだ」
この家に引き取られた時に、50歳に近かった夫婦も既に定年を迎えている。
教師であった養父は、今は学習塾を開き、年金とともに生計を立てていた。
亘はふと、過去を思い出す。
8歳の誕生日を迎えた2月29日、正しい日付の誕生日だから、早く帰ってくると実母は約束をしてくれた。
楽しみに待っていたが母は帰る気配がない。
7時、8時、9時過ぎて、ようやく玄関のブザーが鳴った。
大喜びで走っていき扉を開けると、母ではなく見知らぬ男性たちがいる。
訳がわからず、連れていかれたのは警察らしかった。
その後、母にも会えないまま、養護施設に送られた。
しかし、その後、施設の職員たちが話しているのを聞いてしまったのだ。
母が、人を殺して刑務所に送られたことを……。
「亘も立派になったもんだ。来たばかりの頃は死んだような目をしていたからな」
「これも、父さんと母さんのお陰です。あの一言があったからもう一度前を向く気になれたんだ」
この家に引き取られた時に、50歳に近かった夫婦も既に定年を迎えている。
教師であった養父は、今は学習塾を開き、年金とともに生計を立てていた。
亘はふと、過去を思い出す。
8歳の誕生日を迎えた2月29日、正しい日付の誕生日だから、早く帰ってくると実母は約束をしてくれた。
楽しみに待っていたが母は帰る気配がない。
7時、8時、9時過ぎて、ようやく玄関のブザーが鳴った。
大喜びで走っていき扉を開けると、母ではなく見知らぬ男性たちがいる。
訳がわからず、連れていかれたのは警察らしかった。
その後、母にも会えないまま、養護施設に送られた。
しかし、その後、施設の職員たちが話しているのを聞いてしまったのだ。
母が、人を殺して刑務所に送られたことを……。
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