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雪に咲く花

第12章 亘のきずあと

亘が誕生日を迎えた日、雪斗と颯人が訪ねてきた。
「雪斗も颯人もこの間は酷いこと言ってごめんな」
「まあ、別に気にしてないしな」
「そうだよ。今日はそういう話はなしだよ」
謝る亘に二人は笑って返す。
雪斗は買ってきたケ―キに蝋燭を24本立てた。
「誕生日おめでとう」
亘が蝋燭を吹き消した。
「さて、これは亘へのプレゼントだよ」
「サンキューなんだろうな。うん……これは?」
亘が包みを開けるとビデオテープが入っていた。
「いったいこの中に何が入っているんだい?」
亘が不思議に思って訪ねると雪斗が答えた。
「亘にとって大切なものだよ」
「俺にとって……大切なものって?」
「そう、亘はこれを最後まで見なきゃいけないんだ。でないと一生呪われるからね」
「それは怖いな。では見せてもらおうか」
雪斗がビデオデッキにテ―プをセットする。
ブラウン管の中に綺麗な花が一面に流れ、暫くして映った女性に亘は息を飲んだ。

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