雪に咲く花
第10章 深いきずあと
美桜かて小さな弟を手放すのは心苦しいが、まだ成人も迎えていない自分には 雪斗を養う余裕がなかったのだ。
幼い子供の希望は通らず、結局、雪斗は叔父の家に引き取られた。
「結果的にあのことが雪斗との溝を作っちゃったのよね」
「そうだよな。俺も自分のことでいっぱいだったしな」
美桜と海斗がそれぞれに呟いた。
海斗もまた、全日制の高校にいかずに工務店に勤めながら、定時制高校に通っていたのだ。
雪斗は叔父の家に引き取られたものの、生まれて初めての息苦しさを感じた。
基本的に、最小限のことはしてもらったが叔母は傲慢で神経質なところがあった。
突然、他人の子供を引き取らなければいけなくなったことに負担を感じるのは当然だった。
雪斗がちょっと家を汚したり、うっかり物を壊したりすると激しく罵った。
従兄弟がしたイタズラの濡れ衣をきせられ、尻を定規で叩かれたこともある。
ことなかれ主義の叔父は、ほぼ無関心だった。
同じ年の従兄弟達からも、居候なんだから言うことを聞けと虐げられたのだ。
幼い子供の希望は通らず、結局、雪斗は叔父の家に引き取られた。
「結果的にあのことが雪斗との溝を作っちゃったのよね」
「そうだよな。俺も自分のことでいっぱいだったしな」
美桜と海斗がそれぞれに呟いた。
海斗もまた、全日制の高校にいかずに工務店に勤めながら、定時制高校に通っていたのだ。
雪斗は叔父の家に引き取られたものの、生まれて初めての息苦しさを感じた。
基本的に、最小限のことはしてもらったが叔母は傲慢で神経質なところがあった。
突然、他人の子供を引き取らなければいけなくなったことに負担を感じるのは当然だった。
雪斗がちょっと家を汚したり、うっかり物を壊したりすると激しく罵った。
従兄弟がしたイタズラの濡れ衣をきせられ、尻を定規で叩かれたこともある。
ことなかれ主義の叔父は、ほぼ無関心だった。
同じ年の従兄弟達からも、居候なんだから言うことを聞けと虐げられたのだ。
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