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WーWING

第11章 隼斗と優雅

 隼斗は、話を聞きながら、熱いものを感じた。


「それって……」


「もう真似事のWーWINGじゃない、本気でやろうよ」


 優雅は腕を伸ばして、隼斗の肩をポンと叩いた。


 隼斗は体を震わせ、うつむきながら、男泣きした。自分は一人になってなかった。


 優雅と言う、最愛の存在がいた。


 いま、それがわかった時、止めどなく涙が溢れてきた。


「泣くな隼斗、お前の泣き顔は見たくないよ。一緒に歩んでいこう」


 優雅の言葉に、隼斗は無言で頷いた。


 嬉しさのあまりに咽び泣く隼斗を、優雅は暖かい目で見守る。


 これからは、隼斗は俺が守ると、優雅も心に誓った。



 ――数ヶ月後。



 優雅と隼斗は学校を無事に卒業。


 隼斗は優雅の進む道に、自分も進むことを志願。


 専門学校に入り、お互い同じアパートの同じ部屋に住むことになった。


 そして、その専門学校とは……。



「はいどうも〜」


「どうも〜隼斗です」


「私が優雅です」


「二人合わせて、WーWINGでぇ〜す」


 お笑い芸人の養成学校だった。

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