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WーWING

第8章 うらはら

 隼斗は教室に戻ると、カバンを持って、そのまま学校から出ていった。


 携帯電話で担任に連絡し、今日は体調がすぐれないと嘘を言って、休んだことにした。


 家に帰ると、隼斗はベッドに横になった。


 優雅との間は、悪くはなかった。むしろ、楽しかった。


 だが、楽しければ楽しいほど、周りの目は冷たくなっていく。


 心の思い出のアルバムが、1ページずつ汚され、破れ散っていく。


 だが、無くなりはしない。戻れば、それは深い後悔に変わる。


 ほんの少しの我慢だった。自分に後、わずかな強さがあれば、耐えられたのかもしれない。


 優雅の温もりは、まだ体が覚えていた。


 そうすぐには忘れられない。


 でも、自分は女性と、あのような関係を持ちたい。


「僕は男だもん」



 ――――



 いつの間にか、眠っていた。


 時計は午後2時過ぎを表示している。


 腹が減った。


 昼の弁当を食べることにした。


 携帯電話には何件もの着信履歴がある。


 すべて、優雅からだった。

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