貴方の涙は俺が拭くから ON
第4章 スケッチブックに隠された秘密4 智
そんなふうに 密かに身構えてたんだけど、
今日のニノは 別に俺に声を掛けるワケでも無く
かと言って いつもみたいにさっさと帰るワケでも無く
「あー、疲れた・・・」
なんて言って ゲームしながら座ってコーヒー飲んでる
周りも “お、今日は違うな” とか思ってんだろうけど、
みんな大人だから何も言わない
「・・・んじゃ、俺帰るね。お疲れ・・・」
俺の方が 恐る恐る・・・みたいな感じで
まだみんなが思い思い寛いでる中
一番に立ち上がる
おつかれ、とか またね、みたいな返事が4人分返ってくる
その中には ごく普通のトーンのニノの声もあって
内心首を捻りながらも、ホッとしてドアを開け、
エレベーターに向かったんだ
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