
貴方の涙は俺が拭くから ON
第21章 忘れられない過去3 智
「グリーン車だけど、なるべく時間ギリギリに行こうか」
「あ、うん」
そうだよなー
平日の朝とは言え
俺達二人して見つかったら、
ちょっとしたパニックになるかも
正直なところ、芸能人オーラみたいなものが
俺にもあるかどうかは 疑問なんだけど
一応、いつも以上に普通を心がけ、
気配を消して新幹線に乗りこむ
車内に入ってしまえばもう安心
2人で並んで座り、ニノは通路側で早速ゲームを始める
俺は窓際の席で 寝たふりしてたけど
京都が近づくにつれて、落ち着かなくなって来た
