
貴方の涙は俺が拭くから ON
第20章 忘れられない過去2 ニノ
背の高いその人を見た途端、
あぁ、と合点がいった
キスする時、 貴方があんなふうに上を向いたワケがわかったよ
それだけで、もう気持ちが萎えそうになる
今すぐ回れ右をして帰りたくなる気持ちを奮い立たせて その人に挨拶すると
思いのほか 穏やかで優しい微笑を返された
「二宮です。本日はお時間頂いて ありがとうございます。」
「いえ、忙しいでしょうに、わざわざこんな所まで・・・」
突然の非礼を詫びながら、手短に、率直に訴えた
大野さんとの間に何があったのか 聞かせて欲しい、と
