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貴方だけを愛してる

第8章 暗い海

恐怖で動けない僕の肩を抱いて何処かへ行こうと歩き出す

その間もずっと気持ち悪い顔で笑ってる

肩に回された手も

笑い顔も

全部が気持ち悪い…

怖い…

イジメには慣れてるつもりだった

でもこれはもうイジメじゃない…

なんでこんな事になったの?

わからないよ…

泣きそうになるけど、ここで泣いたら負けだ

グッと唇を噛んで耐える

怯えた顔なんて見せたくない

それにこいつらは相葉くんを知ってる

もしかしたら相葉くんも総武線だって知ってるかもしれない

僕に何かされるのは我慢できる

でも優しくて繊細で弱い相葉くんに何かされたら…

その事が余計に不安を煽る

「そんな固くなるなって〜楽しも〜よ」

「せっかく可愛い顔してんだから笑えよ〜」

ベタベタ体を触ってくる手が気持ち悪い

「泣いちゃう?」

あははは

ジロジロ不躾に見てくる目が気持ち悪い

早く逃げ出したい

だけど逃げたら…

僕はもうどこにも行けなかった

逃げることも

助けを呼ぶことも考えられず

ただ

恐怖で縮む体を無理やり動かして彼らに着いて行くしかなかった

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