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僕ら× 1st.

第20章 夏祭り --Hzm,Mkt,Ar,Kn

「兄貴はいつから知ってたんだ?」

「…和波(カズハ)がまだ小学生の頃、こないだ亡くなった先々代:お前たちの祖父母がね、つい話しちゃったんだ。……それで和波が遠慮したんだ」

遠慮?
あの2人に一体何を言われたんだ?

「だって、可愛らしいハニィだけならともかく、やんちゃな坊主2人の世話はやってらんないからね」

坊主って、それは俺とリィのことか?
そんなこと言っても、よく遊んでくれたの覚えてるよ……。

「言い方が悪いんだが、あの2人がね。和波を宮石家に入れるなら俺たちが出ていくと言いだして、その後は帆澄も知ってるとおり。でも俺や先代はこれでよかったと思ってるよ。和波は宮石の人間だ」

祖父母が俺たちとほとんど会わずにいたのは、そのせいか?
何って頑固者なんだ……。

宮石に嫁いだ俺たちの母親の妹なんだし、全くの無関係でもないじゃないか!

「俺は兄貴がいない時、寂しかったよ。それで、たまに兄貴がいてくれると嬉しくて……蹴りかかったりして悪かったけど」

「お前の殴る蹴るは半端ないもんな」

ニヤリと兄貴は笑う。

「今、思うとさ。俺が強くなりたかったのは、兄貴に相手をしてもらいたかったからだと思う」

「お前、強くなりすぎ」

そう言って、兄貴は俺の頭をクシャクシャっと撫で回した。

白峯が、俺だけ先に呼んだ理由が理解できた。
自分の祖父母がそんなくだらない経緯で兄貴を避けていたなんて、ハニィには教えたくないよな。

俺は系図に視線を戻す。

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