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僕ら× 1st.

第14章 P波 --Khs,Ior

「お前の、ギャグだな」

彼女のいるいないに関わらず、貰って全く嬉しくないラブレターなんてあるんだ…。

「俺、物欲しそうに見える?」

「いや。それだけカッコいいんだって」

「お世辞には騙されない」と伊織は、俺に話題を振ってくる。

「サッカー部のカッコいい依田君は、貰ったことあるの?」

「あるんじゃない?」

1通だけだけど。

おとなしめのコで、1度デートしてそれっきり。
中学に上がる前に転校していった。

思えば、俺がどうもしないから見限ったんだろうな。
手を繋ぐとかキスとか、まだ実際の女子とするなんて想像もつかない…伊織に言わせりゃ"恋愛唐変木"だったからな。

「まともな?」

「ああ…けど、お前。2枚目まだ見てないだろ?一応読んどけよ。宮石が恨まれたらヤバイし。その女、カップルを別れさせることに快感を感じるビッチだぜ?」

封筒を手渡すと、「わかった」と言いながら読み始めるもすぐにうなだれた。

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