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僕ら× 1st.

第11章 サマサイド --Ior,Thk

早めの昼、プールサイドで花野とジャンクフードをとっていると、あの2人もやって来た。

「何?花野、まだそれ着てるの?」

自分たちのプレートをテーブルに置いて座る。

「だって、日に焼けちゃうでしょ?」

「あんた生っ白いから、ちょっとは焼けなさい!ほら、じゃんけんぽん!」

いきなり花野に勝負を挑む。
いや、わかってんだろ?
花野はいつも、最初パーを出すって…。

「はい。花野の負け」

「えー?」

「脱げ」

野球拳かよ……。

「じゃ、プールに入る時」

渋々の花野は、妥協案を提出する。

「約束ね」

と言って、小津が僕をニッと見る。
……また、何かさせられるのか。

てか僕、自制できるのか?
さっきも、この後、ホテルに連れ込みたいなんて思ったのに。

ダメだ、伊織。
つきあっているふりだということを忘れるな。
お前、キスもまだなんだぞ?
"手は出さない"と、指導室で…花野の前で誓っただろ?

花野との両想いを色濃く感じた修学旅行で、少し外れたタガだけど、このまま緩ませるわけにはいかない。

「茉琴、悪大官みたいだな」

「キューピッドなのよ。理性の吹っ飛んだ速水、見てみたいでしょ?」

しれっと小津は言う。

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