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僕ら× 1st.

第10章 修旅 --Khs,Ior,Mkt

スマホ片手に先程の場所に戻ると、滝沢と竹崎も合流していた。

伊織はふて腐れていると思ったのに、宮石にいつも以上に絡んでいた……。
こわばる表情の彼女の肩に後ろから顎を乗せ、何か喋っている。

宮石、只今壁突き破り中か?
伊織は、赤くなって小さく震える宮石の反応を楽しんでいるようにも思う。
俺がでしゃばることなかったかな?

「おまたせ」と俺が入ると、「大丈夫か?」と。

でも、宮石の肩からそう言う伊織の目が拗ねてる。
やっぱり教えてやった方がいいか…。

大をしてると思われたくなくって急いで打った文章だけど、まあ解けるだろ。

俺は伊織にニッと笑って、送信した。

俺の動作を見て、そして着信振動でも感じたか、伊織は宮石から身を離して鞄からスマホを取り出す。

伊織から解放された宮石は、チラっと俺たちを見たけど、スカートの裾を翻して先を行きだした竹崎たちの固まりにトタトタと走っていった。

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